2026年の優勝によって、ホークスの日本一は球団の前身時代を含めて通算13度目となった。前年の2025年に続く2年連続の日本一であり、福岡ソフトバンクホークスという球団名になってからは9度目の快挙だ。
ここで注意したいのが、「13度目」と「ソフトバンクとして9度目」の違いである。ホークスは長い歴史のなかで球団名や親会社が変わっており、南海ホークス、福岡ダイエーホークス、福岡ソフトバンクホークスの優勝実績を通算するかどうかで数字が異なる。
福岡ソフトバンクホークスの公式発表でも、2026年の優勝を「2年連続13度目(ソフトバンクホークスとして9度目)」と説明している。
日本一13回の内訳
- 南海ホークス時代:1959年、1964年の2回
- 福岡ダイエーホークス時代:1999年、2003年の2回
- 福岡ソフトバンクホークス時代:2011年、2014年、2015年、2017年、2018年、2019年、2020年、2025年、2026年の9回
特に2017~2020年には4年連続日本一を達成している。2025年、2026年の連覇は、それに続く新たな黄金期を印象づける実績となった。
また、2026年はパ・リーグ3連覇も達成。2024年、2025年、2026年と3年連続でリーグの頂点に立った。南海ホークス時代の1964~1966年以来、60年ぶりとなる3連覇で、福岡移転後では初めての記録だ。
つまり2026年の快挙は、単に日本シリーズを制しただけではない。球団の長い歴史においても、リーグ戦と日本シリーズの両方で継続的な強さを示したシーズンだった。
【日本シリーズ2026全4試合の結果】DeNAを破った決定的な場面

2026年の日本シリーズは、10月24日に横浜スタジアムで開幕した。対戦相手は横浜DeNAベイスターズ。DeNAはセ・リーグ3位からクライマックスシリーズを6連勝で勝ち上がっており、勢いを持って日本シリーズに臨んでいた。
一方、ソフトバンクはパ・リーグ3連覇を達成し、クライマックスシリーズのファイナルステージでも北海道日本ハムファイターズを3連勝で退けていた。両チームの対戦は2024年以来2年ぶりだった。
シリーズのスコアだけを見ると4連勝だが、実際には第1戦から第3戦まで毎試合延長戦となる接戦だった。
全4試合のスコアと見どころ
最終成績はソフトバンク4勝、DeNA0勝。第1戦から第3戦まではすべて延長戦、第4戦で初めて9回までに決着した。試合結果は日本野球機構(NPB)の公式記録に基づく。
第1戦:庄子雄大の一打で延長11回を制する
10月24日の第1戦は、横浜スタジアムで行われた。ソフトバンクの先発は上沢直之、DeNAは石田裕太郎。両チームの投手が踏ん張り、試合は序盤から得点の少ない展開となった。
均衡が破れたのは7回表。牧原大成の安打と山本祐大の二塁打で好機をつくり、庄子雄大の内野ゴロの間にソフトバンクが先制する。
しかし、DeNAも8回裏に牧秀悟のソロ本塁打で同点に追いついた。延長戦に入っても両チームが譲らないなか、11回表に庄子が勝ち越しの2点適時二塁打を放つ。さらに柳町達の犠牲フライで追加点を挙げた。
最後は杉山一樹が11回裏を抑え、3対1でソフトバンクが先勝。4時間12分に及ぶ初戦を勝ち切ったことが、シリーズ全体の流れをつくった。
第2戦:川村友斗が日本シリーズ初打席で決勝弾
10月25日の第2戦は、ソフトバンクがモイネロ、DeNAが尾形崇斗を先発に起用した。
3回表に正木智也のソロ本塁打で先制し、4回には庄子雄大の適時二塁打で追加点。モイネロも好投を続け、7回までDeNA打線を封じ込めた。
ところが8回裏、松本裕樹が筒香嘉智に逆転3ランを浴び、試合はDeNAの3対2となる。ソフトバンクにとっては、連勝が途切れかねない苦しい局面だった。
ここで代打として登場したのが山川穂高だ。9回表にソロ本塁打を放ち、土壇場で同点に追いつく。そして延長10回表、日本シリーズ初打席となった川村友斗が勝ち越しソロ本塁打を放った。
最後は杉山がDeNAの反撃を封じ、4対3で2連勝。小久保監督の代打策と、途中出場の川村が試合を決めた一戦だった。
第3戦:正木智也のサヨナラ本塁打で日本一に王手
10月27日、舞台はみずほPayPayドーム福岡へ移った。ソフトバンクの先発は松本晴、DeNAは東克樹。地元での初戦となった第3戦も、簡単には決着しなかった。
DeNAは5回に古市尊の適時打で先制。先発の東も7回6安打無失点と好投し、ソフトバンク打線を抑え込んだ。
9回裏、ソフトバンクは2死二塁から牧原大成の適時打で同点に追いつく。この場面では、二塁走者の栗原陵矢に代わって出場したイヒネ・イツアが、右翼手の前に落ちた打球で一気に本塁へ突入。果敢な走塁が同点劇につながった。
そして延長10回裏、一死走者なしで打席に入った正木智也が、DeNAのルイーズからサヨナラ本塁打を放った。152キロのツーシームを捉えた一打が左翼ホームランテラスに飛び込み、試合は2対1で決着した。
この勝利でソフトバンクは3連勝。日本一連覇に王手をかけた。
第4戦:山本祐大と柳田悠岐が逆転勝利を演出
10月28日の第4戦は、みずほPayPayドーム福岡で開催された。ソフトバンクは21歳の前田悠伍、DeNAは平良拳太郎が先発した。
試合は初回から動く。DeNAは度会隆輝が四球で出塁した後、佐野恵太が前田悠伍から2ラン本塁打を放ち、2点を先制した。
ソフトバンク打線は序盤こそ平良を攻略できなかったが、4回裏に反撃する。正木智也が四球で出塁し、周東佑京が盗塁で好機を広げた。二死一、二塁から山本祐大が2点適時三塁打を放ち、同点に追いつく。
さらに柳田悠岐が適時打を放ち、3対2と逆転。6回には周東が二塁打から三塁へ進み、山本の犠牲フライで4点目を奪った。
投手陣も踏ん張った。7回はオスナ、8回は松本裕樹、9回は杉山一樹が登板。杉山が最後の打者・松尾汐恩を空振り三振に仕留め、ゲームセットとなった。
4対2でソフトバンクが勝利し、4連勝で日本一を決定。本拠地で小久保監督の胴上げが実現した。
【3試合連続延長戦の真相】日本シリーズ史上初の記録と小久保采配
2026年の日本シリーズで特に注目されたのが、開幕から3試合連続で延長戦に突入したことだ。
NPBによると、日本シリーズで開幕3試合連続延長となったのは史上初めて。第1戦は延長11回、第2戦と第3戦は延長10回まで戦った。
3試合とも勝敗を決めた選手が異なる点も特徴的だ。第1戦は庄子雄大、第2戦は川村友斗、第3戦は正木智也。主力選手だけでなく、途中出場や若手の選手が重要な場面で結果を残した。
小久保裕紀監督の采配で光った3つのポイント
1. 代打・山川穂高の起用
第2戦でDeNAに逆転された後、9回に山川を代打で起用。山川は同点ソロ本塁打を放ち、試合を振り出しに戻した。続く延長10回には川村が決勝本塁打を記録し、采配が勝利につながった。
2. 第3戦の代走・イヒネ イツア
第3戦の9回裏、同点を狙う場面で小久保監督は栗原に代えてイヒネを起用。牧原の右前打でイヒネが一気に本塁へ突入し、間一髪で生還した。単なる選手交代ではなく、走力を生かした勝負の一手だった。
3. 救援陣を生かした試合終盤の運用
シリーズを通じて、杉山一樹、ヘルナンデス、オスナら救援投手が重要な役割を果たした。特に杉山は第1戦、第2戦、第4戦でセーブを記録。第3戦では勝利投手となり、投手陣の中心的存在として連覇を支えた。
小久保監督の采配で注目したいのは、固定したスター選手だけに頼らず、試合の状況に応じて代打、代走、継投を使い分けたことだ。延長戦が続くシリーズでは、選手層の厚さとベンチの判断力が勝敗を左右する。
小久保監督が語った本拠地での胴上げ
優勝決定後、小久保裕紀監督は福岡での胴上げについて、次のように語った。
「監督になってずっと目標にしていた、ここみずほPayPayドーム(福岡)での胴上げ、3年目にしてやっと実現できました」
加えて、日本一連覇を喜びながらも「また新しい目標ができた」とコメント。次のシーズンを見据える姿勢も示した。
2024年の日本シリーズではDeNAに敗れた経験もある。今回の対戦は、その悔しさを乗り越えて本拠地で優勝を決めたという意味でも、チームにとって節目となるシリーズだった。
【正木智也がシリーズMVP】4試合で打率.438を記録した活躍
打率 .438
4試合・7安打・2本塁打・2打点
2026年のシリーズMVPに選ばれたのは、ソフトバンクの正木智也だった。
正木は全4試合に出場し、16打数7安打、打率.438、2本塁打、2打点を記録。出塁率も.550、長打率は.813に達した。数字だけでもシリーズを通じた存在感は明らかだ。
第2戦の先制弾と第3戦のサヨナラ弾
正木の活躍が際立ったのは第2戦と第3戦だ。
第2戦では3回表、尾形崇斗から左翼スタンドへのソロ本塁打を放ち、チームに先制点をもたらした。さらに第3戦では延長10回裏にサヨナラ本塁打を放ち、3連勝を決定づけた。
第3戦の一発は、シリーズの流れを決定づけた場面でもある。DeNAが先制し、東克樹が7回無失点と好投していた試合を、終盤の粘りと正木の一振りでひっくり返した。
NPBの試合記録によれば、正木は2026年シーズンのレギュラーシーズンでも28本塁打を記録。シリーズだけの偶然ではなく、年間を通じて長打力を発揮していた選手だ。
MVP受賞後のコメント
正木は受賞について、次のように話している。
「苦しい試合ばかりでしたが、ちょっとでも貢献できていたとしたら、うれしいです」
シリーズの勝利を個人の手柄として強調するのではなく、チームへの貢献を控えめに喜んだコメントだった。
なお、優秀選手賞にはソフトバンクから杉山一樹、山本祐大、庄子雄大が選ばれた。敢闘選手賞はDeNAの東克樹。シリーズを通じて投打それぞれの選手が結果を残したことが、表彰にも表れている。
【ソフトバンク日本一の優勝理由】2026年のチーム成績から見る強さ
日本シリーズ4連勝を支えたのは、短期決戦だけの勢いではない。レギュラーシーズンの成績を振り返ると、ソフトバンクがパ・リーグを圧倒した理由が数字から見えてくる。
2026年のレギュラーシーズン成績
1位
パ・リーグ優勝.650
91勝49敗3分.261
リーグトップ707
リーグトップ
NPBの2026年度パ・リーグ公式成績では、ソフトバンクは143試合で91勝49敗3分、勝率.650を記録。2位の埼玉西武ライオンズには11.5ゲーム差をつけた。
チーム打率は.261、総得点は707。いずれもリーグトップだった。打線が特定の選手だけに依存せず、安打と長打を組み合わせて得点を積み重ねられたことが分かる。
投手成績も防御率2.88と優秀だった。西武の2.87に次ぐリーグ2位で、143試合を通じて安定した投手力を維持した。
優勝を支えた主力選手
- 栗原陵矢: 40本塁打、118打点。長打力と得点力の両面で打線を牽引。
- 正木智也: 28本塁打、59打点。日本シリーズMVPにもつながる年間を通じた成長を見せた。
- 周東佑京: 30盗塁。走力を生かした攻撃で相手バッテリーにプレッシャーを与えた。
- 近藤健介: 打率.309、32本塁打、108打点。出塁と長打の両方で打線を支えた。
- 柳田悠岐: 打率.302、19本塁打。重要な場面で勝負強さを発揮した。
こうした数字から分かるのは、2026年のホークスが単なるホームラン頼みのチームではなかったということだ。栗原や正木の長打力に加え、近藤の出塁能力、周東の機動力、柳田の経験が組み合わさっていた。
投手陣では、大津亮介が防御率2.68、12勝を記録。シリーズでは杉山一樹やヘルナンデスら救援陣も勝利に貢献した。先発から中継ぎ、抑えまで役割を分担できることが、長いシーズンと短期決戦の両方で強みとなった。
連覇を実現した3つの構造的な理由
1. 攻撃の選択肢が豊富だった
長打を打てる選手と、出塁や走塁でチャンスを広げる選手がそろっていた。日本シリーズでも、庄子、川村、正木と異なる選手が決勝打を放っており、攻撃の選択肢が一つに限られていなかった。
2. 救援投手の層が厚かった
接戦が続いた日本シリーズでは、終盤の失点を抑える能力が特に重要だった。杉山一樹の安定した投球に加え、ヘルナンデス、オスナ、松本裕樹らを状況に応じて起用できたことが大きい。
3. 選手層とベンチワークが短期決戦に適合した
川村の途中出場からの本塁打や、イヒネの代走での好走塁は、選手層の厚さを象徴する場面だった。主力が結果を出すだけでなく、途中出場の選手が試合を決められることは、長期的なチーム力の証明でもある。
加えて、クライマックスシリーズのファイナルステージを3連勝で突破し、日本シリーズの4連勝につなげた。ポストシーズンで7連勝を記録したことも、2026年の強さを語るうえで見逃せない。
【ソフトバンク日本一の歴代優勝年】1959年から2026年までの13回
ホークスの日本一の歴史を振り返ると、1959年の南海ホークス時代から2026年まで、長い期間にわたって日本シリーズを制してきたことが分かる。
歴代13回の優勝年は以下の通りだ。
1959年、1964年、1999年、2003年、2011年、2014年、2015年、2017年、2018年、2019年、2020年、2025年、2026年。
球団の歴史を彩る主な優勝時代
南海ホークス時代:1959年・1964年
ホークスの日本一の歴史は南海ホークス時代に始まる。1959年と1964年に日本シリーズを制覇し、球団の歴史に最初の2つの日本一を刻んだ。
福岡ダイエーホークス時代:1999年・2003年
1989年に福岡へ移転し、福岡ダイエーホークスとして新たな時代を迎えた。1999年に日本一を達成し、2003年にも再び日本シリーズを制覇。福岡を本拠地とするチームとして存在感を高めた。
福岡ソフトバンクホークス時代:2011年~2026年
2005年から球団名が福岡ソフトバンクホークスとなり、2011年に日本一を達成。その後も2014年、2015年、2017年、2018年、2019年、2020年と優勝を重ねた。
2025年には5年ぶりの日本一に返り咲き、2026年には連覇を達成。球団名がソフトバンクになってからの日本一は、これで9回となった。
歴代優勝年を正しく理解するには、球団の前身時代を含む通算記録と、現在の球団名になってからの記録を区別することが大切だ。検索結果で「12回」「13回」「9回」という異なる数字を見かけても、集計対象が違えば必ずしも誤りではない。
【ソフトバンク日本一に関するよくある質問(FAQ)】
Q1:ソフトバンクの日本一は2026年で何度目ですか?
A1:2026年で通算13度目です。南海ホークス、福岡ダイエーホークス時代を含む球団通算では13回、福岡ソフトバンクホークスとしては9回です。
Q2:2026年の日本シリーズは何勝何敗で優勝しましたか?
A2:横浜DeNAベイスターズを相手に4連勝で優勝しました。第1戦3対1、第2戦4対3、第3戦2対1、第4戦4対2という結果です。
Q3:2026年の日本シリーズMVPは誰ですか?
A3:正木智也です。4試合で7安打、打率.438、2本塁打、2打点を記録しました。第3戦の延長10回に放ったサヨナラ本塁打も大きな評価につながりました。
Q4:開幕3試合連続延長戦は日本シリーズ史上初ですか?
A4:はい。NPBによると、開幕3試合連続で延長戦となったのは日本シリーズ史上初めてです。第1戦は延長11回、第2戦と第3戦は延長10回でした。
Q5:ソフトバンクは2026年にパ・リーグ何連覇を達成しましたか?
A5:3連覇です。2024年、2025年、2026年にリーグ優勝を果たし、南海ホークス時代の1964~1966年以来60年ぶり、福岡移転後初の記録となりました。
まとめ:ソフトバンク日本一13度目が示した黄金期の到来
福岡ソフトバンクホークスは2026年10月28日、横浜DeNAベイスターズとの日本シリーズ第4戦に4対2で勝利し、2年連続13度目の日本一を達成した。
今シリーズは開幕3試合連続延長戦という日本シリーズ史上初の展開となり、庄子雄大、川村友斗、正木智也らが重要な場面で結果を残した。なかでも正木は4試合で打率.438、2本塁打を記録し、シリーズMVPに輝いた。
また、2026年のレギュラーシーズンでは91勝49敗3分、勝率.650という好成績を残し、パ・リーグ3連覇を達成。攻撃力、投手力、選手層、そして小久保裕紀監督の采配が組み合わさった結果が、今回の日本一につながった。
今回の優勝を理解する際には、球団通算13度目とソフトバンクとして9度目という数字の違いにも注目したい。南海、ダイエーから続く歴史を受け継ぎながら、福岡ソフトバンクホークスは新たな黄金期を築いている。
小久保監督が口にした「また新しい目標ができた」という言葉の先にあるのは、3年連続日本一への挑戦だ。2026年の連覇は、ホークスの歴史に新たな1ページを刻むとともに、次のシーズンへの期待を高める結果となった。