力士の収入を大きく左右するのが、懸賞金と優勝賞金です。
特に幕内力士は、企業が懸賞を懸けた取組に勝つことで、基本給とは別の収入を得られます。
懸賞金は1本7万円!勝った力士の取り分は6万円
日本相撲協会の公式案内によると、懸賞金は1本につき7万円です。
内訳は次のとおりです。
- 勝った力士の獲得分:6万円
- 日本相撲協会の手数料:1万円
したがって、懸賞が10本懸かった取組に勝てば、力士の獲得額は60万円になります。
懸賞は幕内の取組に限られ、企業や団体が応援する力士や注目の対戦カードに申し込みます。懸賞旗が土俵上を回る光景は、大相撲ならではの見どころです。
懸賞金は全額をその場で受け取るの?
ここは誤解されやすいポイントです。
2025年5月の夏場所から、力士が土俵上で受け取る懸賞金の現金は、従来の3万円から1万円に変更されました。
残りの金額は銀行口座への振り込みなどで扱われます。大量の現金を持ち歩くことによる盗難リスクや管理上の負担を減らすための変更です。
ただし、勝った力士の獲得額6万円自体が減ったわけではありません。
幕内優勝賞金は1,000万円から2,000万円へ
幕内最高優勝の賞金は、2026年11月時点で1,000万円です。
しかし、2027年1月場所からは2倍の2,000万円になります。
加えて、十両以下の各段優勝賞金も増額されます。
| 賞金の種類 | 2026年まで | 2027年1月から |
|---|---|---|
| 幕内優勝 | 1,000万円 | 2,000万円 |
| 十両優勝 | 200万円 | 300万円 |
| 幕下優勝 | 50万円 | 70万円 |
| 三段目優勝 | 30万円 | 50万円 |
| 序二段優勝 | 20万円 | 30万円 |
| 序ノ口優勝 | 10万円 | 20万円 |
| 三賞 | 200万円 | 300万円 |
三賞とは、次の3つの賞を指します。
- 殊勲賞:横綱や大関など上位力士を破る活躍をした力士
- 敢闘賞:場所を通じて目立った活躍をした力士
- 技能賞:優れた技術を発揮した力士
これらは月給とは別の賞金です。幕内優勝や三賞を獲得すれば、年間収入を大きく押し上げる要素になります。
【2027年1月に力士の給料が増額】日本相撲協会の改定内容

2026年7月30日、日本相撲協会は両国国技館で理事会を開き、力士の給与や手当、優勝賞金などの改定を発表しました。
今回の改定で注目されるのは、関取の月給が約10%前後引き上げられることです。
横綱は月30万円、大関は月25万円の増額
関取の給与改定は2019年以来8年ぶりです。
改定後の月給は次のようになります。
- 横綱:300万円から330万円へ
- 大関:250万円から275万円へ
- 関脇・小結:180万円から200万円へ
- 前頭:140万円から155万円へ
- 十両:110万円から120万円へ
横綱は年間換算で360万円、大関は300万円の基本給増額となります。
この増額は、力士の待遇改善を目的としたものです。物価上昇によって生活費や相撲部屋の運営費などが増加していることも、改定の背景にあります。
日刊スポーツの報道では、2025年度の日本相撲協会の収支が約13億円の黒字だったことも紹介されています。入場券収入やグッズ販売などの好調が、待遇改善を後押しする要因になりました。
幕下以下も場所手当と成績給がアップ
今回の改定は、関取だけを対象にしたものではありません。
幕下以下の力士養成員についても、場所手当や勝星金、勝ち越し金が増額されます。
特に幕下の場所手当は、16万5,000円から18万円へ引き上げられます。
序ノ口以下も7万7,000円から8万2,000円となり、下位の力士にも待遇改善が及びます。
加えて、巡業参加手当も番付に応じて20~50%増額されることが報じられています。引退時に支給される惜別金についても倍増が決まりました。
なぜ2027年に給与が改定されるのか?
今回の改定には、大きく3つの背景があります。
1. 物価上昇への対応
食料品や光熱費などの上昇は、力士本人だけでなく相撲部屋の運営にも影響します。日々の稽古や食事を支える環境を維持するためにも、待遇の見直しが必要になっていました。
2. 力士への収益還元
大相撲の入場券やグッズ販売などの収益が好調だったことも背景にあります。興行を支える力士への還元として、給与や賞金の増額が実施されます。
3. 他競技との待遇比較
日刊スポーツの報道によると、藤島広報部長(元大関・武双山)は優勝賞金について、他競技との比較も踏まえて改定した趣旨を説明しています。
同氏は、物価高騰の中で力士の待遇が据え置かれていたことにも触れ、今回の増額が力士の励みになるとの考えを示しました。
【力士の給料に関するよくある質問(FAQ)】
Q1:力士の給料が一番高いのは誰ですか?
A1:番付上の最高位である横綱です。2026年11月時点の月給は300万円で、年間の基本給換算は3,600万円です。2027年1月からは月330万円に増額されます。
Q2:幕下力士にも月給はありますか?
A2:ありません。幕下以下の力士は力士養成員に分類され、月給ではなく本場所ごとの場所手当を受け取ります。2026年11月時点の幕下の場所手当は16万5,000円です。
Q3:力士の年収には懸賞金も含まれますか?
A3:含まれます。幕内の取組で懸賞が懸かり、その取組に勝つと1本につき6万円を獲得できます。これに基本給や力士褒賞金、優勝賞金などが加わります。
Q4:2027年1月から横綱の給料はいくらになりますか?
A4:月330万円です。現行の300万円から30万円増額されます。月給だけを12か月分で計算すると年間3,960万円になります。
Q5:十両と幕下ではどちらが収入が多いですか?
A5:十両です。十両は月給110万円、幕下は場所手当16万5,000円です。十両に昇進すると月給制に移行し、基本給だけでも大幅な収入増になります。
まとめ:力士の給料は番付と実績で大きく変わる
2026年11月時点の力士の給料を整理すると、横綱300万円、大関250万円、関脇・小結180万円、前頭140万円、十両110万円という体系です。
一方、幕下以下は月給制ではなく、場所手当と成績に応じた奨励金が収入の中心となります。
加えて、懸賞金や力士褒賞金、優勝賞金、三賞賞金などが加わることで、同じ番付でも実際の年間収入には差が生まれます。
2027年1月からは関取の給与が8年ぶりに改定され、横綱の月給は330万円、幕内優勝賞金は2,000万円になります。幕下以下の場所手当や勝星金も増額され、力士全体の待遇改善が進みます。
【プロの結論】力士の収入は月給だけで判断できない
力士の給料を正しく比較するには、次の3点を押さえることが大切です。
1. 番付による基本給の違い:十両に昇進するかどうかが、収入面で大きな分岐点になる。
2. 過去の実績による収入差:勝ち越しや金星、優勝によって力士褒賞金が積み上がる。
3. 本場所での成績による変動:懸賞金や優勝賞金、三賞によって年間収入が大きく変わる。
特に2027年の改定は、基本給だけでなく賞金や下位力士の手当にも及ぶ点が重要です。
大相撲は、番付を上げることが名誉だけでなく、生活や経済的な待遇にも直結する世界です。土俵上の一番一番が、力士の将来と収入を左右する仕組みになっています。
主な参考資料:日本相撲協会公式サイト「懸賞について」「大相撲クイズ」、日本相撲協会の2026年7月30日理事会決定に関する日刊スポーツ・デイリースポーツ・共同通信の報道、東京地方裁判所平成25年3月25日判決。